明かりを見ることの安心感。
人間は木の上から大地に降りて生活を始めたときに身を守るために火を手に入れたともいわれています。
燃える火をみると、どことなく落ち着くのはDNAに残る名残なのかもしれません。
一例ですが
・ゆれる炎を見つめながら、好きな音楽を聴く、
・炎の前で楽しかった思い出に浸る、遠赤外線の柔らかな暖かさに包まれて家族と会話をする
・薪の燃える音を聞きながら、お酒を飲む。
炎の前で趣味趣向につながる行動は、日常を離れ何かに没頭できるリラックス方法といえます。
ハンモックや、ロッキングチェアなどに揺られるのも気持ちが落ち着くのでおすすめです。
炎をみると癒されるなど、よく耳にしますが
あくまでも漠然としたイメージでした。しかし、実験を元にいろいろなデータも出てきました。
実験:
頭に電極をつけ脳波測定できる状態で
暗い部屋と暗い部屋+炎(ろうそくのような明かり)の比較では
暗い部屋のみでは、右脳が司る時間やコミュニケーション、左脳が司る計算・言語能力にストレスが現れるそうです。
明かりをつけると当然ストレスは少なくリラックスした状態に移行するそうです。(もちろん、脳波による数値なので確実な結果として立証するにはデータ不足ともいえます。)
とはいえ、暗い部屋でストレスを受け続けた結果、筋肉などにもストレスがたまり心身ともにストレスが蓄積してしまうことが推察されます。
目を閉じて腹式呼吸により外界から己を切り離し自己啓発にもつながるといわれますが、リラックスにつながるのかはやり方と、人それぞれでしょう。
つまり、いやなこと(ストレス)から切り離すというのがポイントではないでしょうか?
薪ストーブの炎を見ていると時間がたつことすら忘れてしまいます。いろいろな燃え方は常に違う形であり、波打ち際のさざ波と同じです。
いつまでも飽きることなく見ることができます。これは、完全に外界から切り離れた状態と考えられます。
日差しのような暖かさ+外界との遮断は、かんたんに瞑想と同じ作用が期待できるのではないでしょうか?
ストレスとうまくつきあう方法は、ストレスから目をそらすこと。
つまり「リラックス」するということだと考えます。
医療の発展とともに多くの病は発症率の低下、完治。また、新生児の生存率の飛躍的な向上など多くの人に健康な生活を与えてきてくれました。
その一方で、身体的な病ではなく、内面的な形として見えない心の病が増加していることも事実です。
心の病はなぜ発症するのか?
過去とは大きく変わった生活様式など人としての進化よりも文明の進化が速くついて行くことができない?
人とのコミュニケーションの方法が大きく変化してきた?
今まで存在しなかった物質の摂取?
など色々と想像ができます。最も多く、かんたんに片付けるとすれば「ストレス」といえるかもしれません。もちろん、生まれつき体に要因があることもあるでしょう。
しかし、ストレス(刺激)が無くてはいけないことも事実なのです。ここに書かれているストレスとは必要以上にのしかかるストレスとお考えください。
薪ストーブを設置して3シーズンが経過した思春期の子供を持つ家族のお話。
小学6年生男子と中学2年女子のお子さんを持つWさんは、ご主人の趣味で薪ストーブを設置。
年頃なのか、ご主人の多忙のためなのか家族の会話や食事時間もすれ違いが多い家族だったそうです。
単純に薪ストーブをご自身の趣味で導入したWさんは、気ままに薪を割り火をいれて楽しんでいたそうです。
そのうちに、奥様が調理に使い始め夫婦一緒に使い始め週末には友人を家に招くように変化しました。
昨年春ごろから中2年になった長男が薪割りを手伝うようになり、高校進学した長女は奥様とお菓子作りをするようになり
薪ストーブの炎の前で家族の会話が増えたそうです。
たまたまそうなる年頃だったのかもしれません。それでも、夫婦が仲良く何かをする用になったきっかけが薪ストーブであり
その姿を見て子供たちもストレスが軽減されたのではないかと思いたいです。
スピードを求める時代ですが、時間を忘れて炎を見るような時間を作ってください。
薪ストーブは「心のしわ」を伸ばすアイロンなのかもしれません。